〈3〉【繰り返しが楽しい絵本③】『三びきのやぎのがらがらどん』

2012年3月10日(土)

第3回キッズ・ブック・スペース【繰り返しが楽しい絵本③】『三びきのやぎのがらがらどん』を開催しました。

(無料体験企画3)

 

当初の対象は小学校低学年でしたが、年齢に関係なく楽しめる内容なので、8か月の赤ちゃんから小学4年生まで幅広く参加してくれました。

【親子の時間】  

最初の30分は、子どもと大人が一緒に読み聞かせやわらべうた、手遊びを楽しみました。

初対面同士なので、まずはあいさつから。

 

こんにちワニ (わははは!ことばあそびブック)

「こんにち」
「ワニ」

「いただき」
「マスク」

など、大人の方がニヤリとしてしまうような言葉遊びの絵本です。

 

「あなたのお名前は」と歌でみんなのお名前を聞いた後は、やぎの絵本が出てきました。  

こやぎが めえめえ (0.1.2えほん)

生まれたばかりのこやぎがめえめえとちょうちょを追いかけます。
はしゃぎ疲れたこやぎは、最後におかあさんのおっぱいをちゅうちゅう。

まだおかあさんのおっぱいが恋しくなる年齢の子もいて、みんな真剣に見ていました。

今度はいよいよテーマ絵本の「三びきのやぎのがらがらどん」です。

三びきのやぎのがらがらどん―ノルウェーの昔話 (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

小さい子どもはちいさいやぎのがらがらどんに、少し大きな子はちゅうくらいのやぎのがらがらどんになった気分で橋を渡っているのでしょうか。
橋の下から怖いトロルが出てくると、お母さんにしがみつく子もいました。

 

昔話には怖いお話、残酷なお話もありますが、無闇に遠ざけないでください。
信頼できる大人が一緒なら、怖い思いも乗り越えていけます。
安心できる環境で怖い疑似体験を繰り返すことで、実際の生活でも少しずついろいろなことに挑戦できるようになっていきます。

絵本の読み聞かせが終わったら、ペープサートで「三びきのやぎのがらがらどん」を再現しました。

 

橋があって、その下にトロルがいます。
そこに、ちいさいやぎのがらがらどんがやってきました。
前にいた子ども達は覗き込んで見ています。

 

好きなおはなしが見つかると、子どもは自分が主人公になったつもりでおはなしの世界を広げていきます。
絵本は、絵を楽しみ、お話を聞いて楽しむだけでなく、絵とお話から広がる空想の世界を楽しむこともできます。
好きなお話、好きなキャラクターを見つけて、どんどん遊びにも取り入れていってほしいと思います。

次に、ひな祭りの菱餅のおはなしから、おもちつきの手遊びをしました。

 

お餅をついて、お餅を焼いて、おしょうゆ、マヨネーズ、レモン?など、みんなのリクエストに応じた味をつけて食べました。

おなかがいっぱいになった?ところで、またやぎが出てくる絵本の読み聞かせです。
「ふしぎなふえ」というおはなしで、やぎ飼いの男の子が笛をふくと・・・

 

子ども達は前に寄ってきて絵本を見つめていました。

【大人の時間】  

㈱西東京こどものとも社代表取締役の平井辰美先生が、「絵本は楽しい」というテーマでおはなししてくださいました。
いろいろな絵本や制作途中の段階の絵本などを使って、良い絵本はどう作られるか、こんな時にどんな絵本を読んであげたら良いか、など保護者の方に参考になるお話が多かったと思います。

 

福音館書店の絵本を作る時のこだわりでは、表紙を選ぶときのラフスケッチまで見せていただきました。

 

下に妹か弟が生まれてさびしがっている上の子に読んであげたい絵本は?

ちょっとだけ (こどものとも絵本)

 

赤ちゃんがいるお母さんに気を遣って、いろいろなことを我慢しているお姉ちゃんのお話です。

もう少し大きくなって「愛って何?」と聞かれたら?

しろいうさぎとくろいうさぎ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

 

素敵なお話ですよね。
いつまでもいつまでも一緒にいたい、という忘れがちな愛の原点をうさぎ達が教えてくれます。

こんなふうに、いろいろな場面で絵本を読むことで、口で説明してもわかってもらえないことでも、感じて理解してもらえます。
抱っこして絵本を読んであげられる時間は限られています。
子どもが成長したとき、手抜きしていなかったと自信を持っていえるように接してあげてください。

 

【子どもの時間】

別室の制作ルームでは、子どもだけで読み聞かせを楽しんだり、ペーパーマジックの制作をしました。

 

ぱん だいすき (0.1.2えほん)

おいしそうなパンが並んだ絵本では、みんながそれぞれ大好きなパンを選んで食べました。

今度は、パンを持ってキリンさんの家に行きます。
キリンさんの家のはずなのに、クマさんが出てきたり、またキリンさんが出てきたり。

不思議な扉のペーパーマジックにみんな興味深々です。

 

 

今度はペーパーマジックを自分たちで作ってみます。

ごちそうがいっぱいのお皿が空っぽになったり、お姫様が毛むくじゃらに変身したり、小学生達はそれぞれ独創的な絵を描いていました。

お姉さん達が先に制作をしている間、小さい子ども達は読み聞かせ。

 

小さな子どもたちも、大人の時間を邪魔しないで自分たちで絵本を見たり、遊んだり、制作して過ごせました。

 

親子の時間、大人だけの時間、子どもだけの時間、それぞれの時間を大切に過ごしながら、少しずつそれぞれに自立していくことも必要です。


キッズ・.ブック・スペースでは、絵本を通して子どもの空想力を育てると共に、子どもとの過ごし方の参考になる企画をご提供していきます。